以前の換気の考え方との違い

コロナ禍以前の換気は、シックハウスや焼肉などの臭気の排気、石油暖房などが主な目的と捉えられてきました。
それが今では、換気の主な目的が、感染症から身を守る換気に変わってきています。

これまでの24時間換気の主な目的が、シックハウスから身を守ることでしたので、基準を見直す必要が生じています。
24時間換気では、2時間で家の中の空気を入れ変えるレベルでしたが、感染症対策としては、CO2濃度1,000PPM以下という基準が一般的です。
これは一人当たり1時間に30㎥以上の換気に相当し、家の中にいる人数によって変動します。来客時には高い換気レベルが求められます。

新型コロナは、家庭内感染が最も多いことがわかっています。
新型コロナは発症前にも感染することから、知らない間に市中感染し、そこから家庭で家族に感染しているためと考えられています。
全員が無症状だからといって、誰も感染していないというわけではありません。保育園や学校やオフィス等の人の密度の高いところでは、感染する可能性が高くなるからです。

こういったやっかいな状況の中では、人がそこにいる限り、フレッシュな空気を取り入れるための換気が望まれます。

保育園や学校、オフィス内ではもちろんのこと、家の中であっても、様々なケースでCO2センサーを用いてCO2濃度をチェックすることにより、それぞれが換気のノウハウを習得していくことが望まれるのではないでしょうか。

フレッシュな空気というと、多くの方が森の中を思い浮かべるかと思います。
森はCO2を吸収するため、当然CO2濃度は低い数値となります。また、森の中では常に空気の流れがあって空気がよどむことなく、自然の換気が行なわれているのです。
こういった森の良さを家づくりに生かす取組が、日本では実は古くから行われてきました。
部屋を閉め切って使うことさえしなければ、機械換気に頼らなくても、ちょっとした窓開けによる自然換気を行うことで家中に換気が行き届く、そんな暮らしは十分に可能なのです。

換気をすれば、エアコンの冷暖房による電気使用増加が多くなるというマイナス面もあるので、日頃から家の中のCO2濃度をチェックすることで、健康な暮らしのためのノウハウを習得しましょう。
24時間換気があるから大丈夫といった考え方は捨てて、これからは家の中に外気を取り入れ、空気の流れを大切にする暮らしをしてみてはいかがでしょうか。