【C型肝炎訴訟】 カルテが残っていない薬害C型肝炎患者の闘い(29)

リーガルコラムに書かしていただくのもこれが最後である。

2013年からは、C型肝炎訴訟を中心にして書かせていただいた。

1.私はB型肝炎訴訟の代理人もやっているが、必ず証人尋問を要求されるC型肝炎訴訟に比べ、B型肝炎訴訟は証拠書類さえ集めれば証人尋問をせず和解ができるので、簡単だと思っていた。

従前は、提訴してから半年くらいで和解ができた。

ところが、1年ほど前から、和解上申書が来るのがすごく遅くなり、提訴してから1年、酷いと1年半以上かかることもあるようになった。しかも、追加資料の要求が増えてきた。原告が提出した証拠資料をチェックする国の人たち(ノンキャリアが主)は、マニュアルを四角四面に受けとり、「診断書や血液検査結果を取りに行っただけの日でも医療記録が作ってあるはずだから、医療記録を追加で提出せよ」とか、亡くなっている兄についてHBc抗体の血液検査結果を要求してきたり、今まで見たことも無い理由をつけて追加資料を要求するようになってきたのである(HBs抗原しか調べていない病院が多いので、亡くなっている人のHBc抗体の検査結果がないことがほとんど。)。

実は、C型肝炎訴訟においても、国からの和解上申書が、2017年4月、国代理人が代わってからは、全くといっていいほど、提出されなくなった。医師の尋問をして、確実にフィブリノゲン製剤を使ったと証言してもらったケースですら、9ヶ月経っても和解上申書が出されていない。

2.国はどうかなってしまったのか。

B型肝炎訴訟については、40万人以上、原告になる人がいると予想して、その人たちの賠償金分が基金として確保してあると聞いたことがある。初めの頃、国代理人は「提訴する人が予想より少ないね」と言っていた。

C型肝炎訴訟についても、少なくても1万人くらいの基金が確保されているのではないかと考えていた。

ところが、なぜこんなに出し渋るのか。

ひょっとして、長引く一党独裁の中で、基金を他に流用しようとしているのではないかという心配さえしている。財務省も厚労省も平気で嘘をつく。文科省等も収賄のような接待を受けている。障害者の雇用については、各省とも平気でごまかしている。

基金にどれだけお金があるのか、調べるすべはないだろうか。

3.肝炎訴訟の話をすると、つい暗くなりがちであるが、一つだけ良いことがあった。

なんと、カルテが残っていない名古屋弁護団に依頼してくれた人の中に、カルテが残っている人がいたのだ。

ファロー四徴症の方である。昭和54年、心臓の手術をする際、フィブリノゲン製剤を投与されたことが手術記録等に明確に記載してあった。

昭和54年のカルテが残っていたのは、T大学病院である(問題の噴出している東京医科大学ではありません。)。

手術記事を読解するのに苦労したが、私の作成した投薬証明書案を送って、間違いが無ければ大学と医師名で署名押印してほしいと頼んだところ、時間はかかったが署名押印してもらえた。

フィブリノゲン製剤を投与したことが書いてあるカルテがあると、こんなにも楽なのかとつくづく思わされる。

いわゆる統一弁護団は、カルテが残っていたり、投薬証明書を書いてもらった事件を中心に2000件以上やってきて、カルテが残っていない人や医師が証言してくれない人たちに対しては、返答も出さなかったり断ったりしてきた。

統一弁護団に断わられた方たちが泣きついてきたのを、再度調査して今回はたまたまカルテが残っていたのである。

4.C型肝炎で29回書かせていただいてきたが、実は書けない事も沢山ある。

書けないことがいい結果を生み、皆さんに報告できるといいなと願って、この筆を置きます。