【C型肝炎訴訟】 カルテが残っていない薬害C型肝炎患者の闘い(22)

 

 

1.私は、カルテのない薬害C型肝炎弁護団の一員である。

先日、その私に、カルテのあるFさんが相談に来た。

とカルテに記載してある。

看護記録には、「フィブリンのり注入」と記載してある。

 

Fさんは、事故で大腿部を強打して、広範囲の内出血となり、腫れがひどかった。

入院して、切開して、暗赤色の血液を出した。

その後、フィブリン糊を注入し、圧迫包帯をした。

 

***フィブリン糊は、ミドリ十字が製造販売していたフィブリノゲン製剤を蒸留水で溶かした溶液をA液とし、トロンビン等の溶液をB液として、同時に注入したり、塗布したりするものである。

A液とB液が混ざると固まっていくので、接着性がある。止血効果もあるとされていたことは、いうまでもない。

しかし、このように糊として使用することを、国は認可していなかった。

***

 

2.私は、このようなカルテをはじめて見た。フィブリン糊の投与がきちんと記載されているカルテ!

しかし、Fさんのケースには、問題があった。

 

Fさんは、以前にも交通事故により足に怪我をし、痛みを抑えるため、鎮痛剤を投与された。

しかし、おさまらず、大きな手術をした。その際、多量の輸血をした。

肝機能の数値であるALT(GPT)は、以前の手術前から異常値であり、フィブリン糊を注入された日である昭和6○年○月○日の直前の血液検査も、ALT(GPT)が異常値であった。

そのため、Fさんは、平成21年、いわゆる統一弁護団(カルテのあるC型肝炎患者から主として委任を受ける)といったんは委任契約したものの、名古屋市の担当弁護士から断られていた。

昭和6○年○月○日のフィブリン糊投与によりC型肝炎に感染したといえず、以前の輸血等でC型肝炎に感染した可能性が大きい、リスキーなケースである。

 

3.後日、やってきたFさんは、民主党の2009年のネットニュースを見せ、「ここに頼む。着手金も印紙代等の実費も1円も支払いたくない」と言うので、預かっていたカルテ等を全て渡し、帰ってもらった。

そのネットニュースには、(2008年1月18日 民主党「次の内閣」ネクスト大臣 山田正彦)と記載してある。山田正彦氏は、今は国会議員ではないと思われる。

そして、そのネットニュースに載っているのは、いわゆる統一弁護団であろう。

平成21年に、断った統一弁護団が、今度は引き受けるものなのだろうか。

 

4.なお、Fさんは、平成21年3月11日に統一弁護団と交わした委任契約書も見せてくれた。

それには、着手金ゼロ、訴訟提起の印紙代・郵便切手代は、統一弁護団が立替え、全てアメリカ型の成功報酬型と記載してあった。

そして、成功報酬は、給付金の15%である。国から支払われる弁護士費用5%を加えると、何と20%である。

カルテが残っている方の事件は、極めて簡単だったにもかかわらず、統一弁護団は、20%もの報酬をもらっていた。

 

一方で、カルテの残っていない薬害C型肝炎弁護団は、統一弁護団が断った患者さんからの委任を受け、低い弁護士費用を設定し、悪戦苦闘しているのであった。